太鼓の革の張り替え

2017年8月、太鼓の革の張り替えを行いました。

明徳義塾 和太鼓部では、日ごろお世話になっている楽器たちへの感謝と勉強の意味を兼ねて、自分達の手で太鼓の革を張り替えています。

太鼓の革は、太鼓を叩いているうちにすり減ってきたり、穴が空いたり、環境面のメンテナンス不行き届きなどからカビが生えて傷んでしまったりと、日々の管理が大変かつ重要な楽器です。

とは言え、革の張り替えに関しては、プロの専門業者にお願いすることもあるような難しい作業です。

今回は、高知県東部の安芸から有沢さんという方にお越しいただいて作業を手伝っていただきました。

なんと、使った道具は全て有沢さんが作ってくだいました。本当にありがとうございました。

1.まずは革をカット

革を太鼓の大きさに合わせてカットします。

とても硬いので、ハサミで布を切るようにはいきません。怪我をしたり、必要以上に革を小さく切ってしまわないよう、慎重にカットしていきます。

今回の太鼓の大きさは1.5尺(直径約45cm)。和太鼓としては一般的な大きさです。

2.水に浸す

革は乾燥したままではとても硬いので、3日間、水に浸して柔らかくします。

まだ水を吸っていない初めのうちは革が浮き上がってくるので、水を入れたペットボトルを入れて重しをします。

3.耳に穴を空けます

水を含んで柔らかくなったので、色も明るく変わりました。

穴に木材を通してフックを作り、そこにロープをかけ革を伸ばしていきます。

穴の位置と間隔は型紙の通りになるようにします。

全ての穴が空いた状態。ここにロープをかけるための木材を通します(三番目の写真)

4.専用の台に乗せ、革を張る

そしてこれからが本番。専用の台に太鼓をのせて、革を少しずつ張り伸ばしていきます。和太鼓は、張り具合の強弱で音の高低や響き方が変わるので、とても重要な行程です。

革に空けた穴の間にロープを通し、下段の梁(はり)のような木材でそのロープを固定しています。そして、台の上段にある赤いジャッキが重い太鼓を徐々に持ち上げることでロープが革を引っ張っています。

鋲を取り、革を外した太鼓(一番目の写真)

伸ばしている途中で革が乾かないように、タオルをかけます(三番目の写真)

有沢さん、ありがとうございました